建築主としても

既に完成し、おまけに販売していた戸が全て完売していた億ションがまさかの建築確認の取り消しが決断されて、もう住めなくなりました、はい諦めてくださいと言われて納得できるわけがない。居住予定者はもちろんのこと、どれだけの損害を受ける事になるかも分からない建築主にしてもだ。本来、億ションと呼ばれる超高級マンションのような建物であっても、このような異例中の異例に見まわれ、とんでもない事態に見舞われてしまう事も起きる可能性があると示されてしまったほどだ。

何とかして建物の違反とされた部分を修正建築できればいいが、既に完成して竣工直前だったこともあってそれも難しいのは言うまでもない。何から何まで後詰の状態でどうにも出来なくなってしまっている、これだけでも建築確認が取り消されることがあるなど、業界にしたら信じられない話なのだ。ただこの決定を下されたことで、販売主もどうにも出来ないと掌を返してしまったことが、逆に問題として出てきてしまいます。

何もかも一方的に

建築確認の一方的な取り消しもそうだが、購入者側に対して何の説明もないままいきなり契約解除を建築主がしたのだ。これにより住民の怒りは爆発、先に話したように住民説明会では罵詈雑言レベルの罵声と怒声が会場を支配するほど殺伐とした雰囲気に満たされてしまいます。

ただ一方的な契約解除で許されないのは誰が見ても明らかだ、何せ購入金額が通常のタワーマンションなどとは比較にならないレベルで売買されていた。プランの中にはそれこそ『2億円』にもなる最高額の戸も用意されていたので、住めませんから補填しません、なんて言われて飲み込めるような寛容さは誰も持ち合わせていない。貯蓄を全て叩いた、あるいはこれから生活していく上でなんとか生計を立てていけるだけの経済力を持っているからこそ、という人もいた中での決断だったために糾弾する声に自然と感情が入り交じるのも無理ない話だ。

たださすがに何も補償をしないでは企業の信頼を損ねる事になってしまうので、契約者達に購入金額のおよそ20%は補填するということも発表しています。例えば2億円もの額を払った人なら、およそ4,000万円となりますが、それでもあまりに負担が大きすぎる。仮にローンを組んでいたとしたら、その後住まいを購入するにしてもローンに苦しめられてしまう。

結局、一番大損をしているのは住民になるはずだった人かと思えば、建築主側にしても楽観視出来る状況ではなかった。

建築主の方向性

ル・サンク小石川後楽園の今後についても考えていくにしても、問題のある部分を修正して建築すればなんとかなる、というものではない。問題の争点となっている駐車場のスロープのせいで避難階として指定できないとされた件を改善しようにもマンションの構造上、難しかった。マンションには更に地下二階も用意されているので、完成間近の建物の地下を埋め立てさえすればどうにかなる、というレベルの段階はとうに逸脱している。

そもそも建築確認が下りなければ工事すら出来ないため、まず工事の再開を要求するところから始めて行かなくてはならないのだ。そうなると裁判しか手はなく、これがもたらす負の効果としてマンションの価値がドンドン下降していく点です。今はまだ『新築』というブランドで肩書は得られていますが、もし裁判が長引けば長引くほど、いくら億ションといえど『中古マンション』という肩書に変質しては、販売価格などを自然と落とさなくてはなりません。

早急に決着がつけばなんとかなりますが、その可能性は限りなく低い。都内の中心地、それも一等地のマンションとして値上がりを続けている点などからも、損失を埋めつつ利益も出したいのが企業側の意見だ。住むはずだった住民たちにしたら納得いかない話だろうが、建ててはいっ終わりで済ませられるほど簡単な話ではない。

中身を紐解くと

ル・サンク小石川後楽園を取り巻く問題の大きさは住民だけでなく、建築主である企業にしても由々しき問題だ。なんとか問題となっている点を改善し、今後のことも考えて販売できる目処が立てば方針も立てられるというものですが、それすらままらない状態です。現在でも企業側が尽力している最中だが、あまり進展はしていない様子。もしかしたら劇的に何かが変わるかもしれないと、ほんのり期待している動きもあるでしょう。一度は建築確認が下りた、まだ少しでも可能性は残されていると思いたくなりますが、それも難しそうだ。

どうしてかというと、このマンションそのものが建築以前から大きく物議を醸していたのです。