計画は元々あった

文京区の、近場に小石川後楽園などの日本庭園が在するなどから閑静な住宅街が広がっているからこそ、ル・サンク小石川後楽園という億ションは絶大な人気を博したのです。販売からわずか3ヶ月程度で完売したのがその良い証拠だ。自分たちの新しい住まいとして、これほど素晴らしいところはないと言わんばかりのマンションだっただけに、購入者もその後も生活に期待を寄せていたはず。にも関わらず、自分たちが今後住まう場所を奪われてしまったのだから釈然としないのは当然といえば当然だ。

ただ近隣住民にしても、無茶な開発を無理に通す国と区、さらに建築主の懲りない建築確認申請を通すなどの横暴さが目立っていたため、一致団結して反対姿勢を貫く。閑静な住宅街が一転して、闘争渦巻く戦地のようなピリピリムードだったというから正直笑えない状況だ。自分たちの静かな暮らしを守るため、という意見ももちろんあるでしょうが、誰も彼もが結局のところ自分本意な意見で動いていたのも認めなくてはならない事実でしょう。

そもそもそんなにこの地域ではマンションを建築することすら認められていないのかといえば、そういうわけではなかった。調べていく中で分かったが、文京区もまた都内で再開発計画が促進されている一地域だという事実が浮かんできたのです。

指折りの文教地区でありながら

文京区という街を紐解くと、実はかなりユニークな特徴を持っている街だという点が浮かんでくる。その1つには、地上に大型な駅が見られないという点だ。周辺に駅こそあるものの、全てが地下鉄となっているので景観的な面でも喧騒からは少し遠い地でもあります。電車が通るだけで大きく音の問題が取り沙汰される事もあるので、これがなおのこと街の価値を高めているのでしょう。また小石川後楽園という点を挙げると、文京区は日本有数のきっての日本庭園が数多く近隣に存在していることもあって、保存価値も非常に高いのだ。

また街の景観を守るという点からも、良好な街並みを維持するために絶対高さ制限を求める高度地区の指定といった動きも必要だという声もあるほどです。例で言えば兵庫県の芦屋地区一帯の高級住宅街を思い浮かべてくれればわかりやすい、文京区もそうあるべきだと考えている人が多いのだ。

ただこうした意見が上がってきているのと同じくらいに、街の再開発をするべきだという点も挙げられている。

商業施設の存在

小石川後楽園のすぐ隣に東京ドームなどもあって場所によって喧騒なところもありますが、住宅街方面へと進行すると気づけば騒音が響かない、静かな雰囲気が流れます。元々教育機関が集中して存在する場所だけに、学生の勉学に妨げとなるような施設がほとんど存在しません。駅前付近にいかなくてはそうした施設がないというのは良いことのように見える一方で、居住している人にしてみれば不便だったりする場合が多いからだ。

だからこそ、文京区役所の北側方面では住宅や商業、業務ビルなどを伴う大規模な再開発計画が進行しています。その辺り一帯は『グリーンバレー』という緑地確保公園ともなっているものの、うまく折り合いをつけながらより生活を利便的にしようと言う動きもあった。こうした点を上げると、必ずしもル・サンク小石川後楽園がいけない、自分たちの生活を害する存在と端的には言えないはず。再開発が進めば人口は増大するので、その足がかり的に推し進められていたとも言えなくもない。

どちらにしても目算は崩れた

2016年6月末、建築主である企業は改めて完成間近のマンションを工事するために、建築確認の取り消しを決めた裁決を取り消してもらうための訴えを挙げた。周辺住民達のこちらの意見を無視し、完成を急がせた結果がこの事態を招いたとしている。言ってしまえば、完成させてしまえば何も言えないだろうという目論見も何処かに合ったのかもしれませんが、国の判断は至極まともで冷静な判断を下したことになる。

この騒動で建築主であるNIPPOと神鋼不動産はおよそ20億円以上もの弁済金を購入者に用意・解約してもらった背景があった。だからこそ改めて不備のある部分を工事して、再度売りだそうとも考えているのですが、先にも触れた通りに裁判が長引けば長引くほど新築ではなくなってしまいます。中古マンション、などとレッテルをはられるようになっては予定していた分の儲けすら手にすることが出来ないので、早めに決着を付けたいとのこと。

このマンションを巡る問題は、まだまだ続くことだけが分かる経過報告と言えるでしょう。